-->私にとっては過去の出来事だ | ナノ

relazione



「日没までにって、どういうことなの!?ジョルノ君」


階段下まで降りて行き、敵のスタンドと睨みあうジョルノのもとに駆けよる。
不思議な事に、スタンドはこちらを見てはいるものの、それだけだ。


「あのスタンドの弱点は、おそらく日光……だからこそ、日没までには倒さなければならない」


そうか、にらみ合っていようが、時間がたてばたつほど向こうが有利になると言うことだ。
いい加減自分のスタンドも戻ってくる頃……二人掛かりなら、どうにか引きずり出すことも可能だろうと由紀は考える。

足音が聞こえる。

ようやく自分のスタンドが戻ってきたのか、そう思った時だった。

「君らは…ッ!なにをやってるんだジョルノ・ジョバァーナ!」

ジョルノには聞き覚えのある声、由紀には聞きなれた声。
それがだれなのか、二人はそちらを見る前からわかっていた。

「君はパスポートや荷物を盗むだけじゃあなく……その人に何をしたんだッ!!」

「康一……お兄ちゃん……」

それは、状況が状況なら嬉しい再会になったのかもしれない。
だが、今の状況はジョルノと由紀がその清掃員のお爺さんを殺した、殺人犯と間違われているそんな状況だ。


「……誤解するな、そこのスタンドが……」


そんな由紀の意図を汲んでか、説明しようとしたジョルノが指さした先には、先ほどまで居たスタンドはいなかった。

そんなジョルノの様子を、言い訳をしているもののように思ったらしく、康一の表情は怒りと驚きの入り混じった様子で

「見てたんだぞッ!あの君の部屋の窓から、君がそのおじいさんと話をしていて、
そのライターの火をつけるのを、僕は見ていたんだからなッ!」

「見ていた……だって!?」


見ていたというワードに二人は戦慄する。

消えたスタンド、二人の位置は日光のあたる下、ライターの火を、見た


「手すりの影から離れてッ!!康一お兄ちゃん!!」


由紀の叫ぶ声。それとほぼ同時に康一の目の前に現れるスタンド。
万事休すか、すぐさま康一のもとに駆け寄るジョルノも間に合わず、康一のスタンドエコーズが引きずり出され掴まれていた。


「再点火を見たな!チャンスをやろう……お前には『向かうべき2つの道』がある!!」


エコーズの能力を知っているからこそ、ここからどうにかなるわけがないと由紀にはわかっていた。

スタンドの口の中にある矢がエコーズに刺さろうとし、その瞬間由紀はつい、目を閉じてしまった。


それは、その光景を見たくなかったからか


「ソードッ!!!!」


否、由紀のスタンドであるソードは康一と敵スタンドをひきはがし、そして


「グッ……!スゴク痛い……ムチャクチャ痛いが、おかげで……」


ジョルノのG.Eがエコーズに刺さろうとしていた矢を、その手のひらで受け止めた。
手のひらで受け止め、その瞬間手すりの影が消えていく

「どうやらお前を日光のもとに引きずり出せたようだ……!」

手すりはG.Eの能力により、朝顔になりそのまま手すりの形を保てずに崩れる。
日光を諸に浴びたと同時に鋭い悲鳴、敵スタンドはすぐさま近くの影に避難するように入り込む。

「おしい!近くに影があったから逃げられた……」


「康一お兄ちゃん大丈夫!?」

ソードによって押されてきた康一に由紀は声をかける。

「い……今のは……!?今のスタンドはッ!大体君は何で僕の事を……」

「……話は後にしよう。影から影を移動する、似たようなスタンドを知っている康一お兄ちゃんならもうわかるよね」

影から影に移動するスタンド、それに近いスタンドを知っている。それは由紀も、康一も。
だからこそ、そのスタンドの性質は二人は理解する事が出来た。康一は多くの疑問がありながらも、由紀の事は聞かずにいた。


「スタンドの事はいい、でも、なんで「矢」を持ったスタンドに攻撃されているんだ!それに……」


依然敵スタンドは影の方からこちらの様子をうかがっており、出てくる様子はない。
なにより、康一もこちらを信用した様子もない。
確かに、荷物を盗みパスポートを盗まれたのだから仕方ない。


「それに、何故ぼくを助けた!」


そうだろう、康一の視点から見れば何故助けられたのかなどわからない。

それは、確かに重要な問題である。


「ライターの点火は僕の行動が原因だ。あのじいさんはどうしようもなかった。
すごく嫌な気分だ。
自分の行動は正しいと信じているが、とてもドス黒い気分なんだ。」


そのジョルノの姿が、誰かと似ているような気がした。

「……」

「とにかく、もうすぐ校舎の向こう側に日が落ちる。今ヤツは、後者の影から外に出ることはできないから、今のうちに校舎の向こう側の太陽の当たるところに回り込もう。そこでヤツを日の中に引きずり出す事を考える」

「そうだね。」


それなら、日没まで少しは可能性が増える。
そう思い、その場に居た三人は走り出す。

時刻を伝えるような、カラスの声を聞きスタンドの動向を探るべく振り向く。

「!!」

「い……いない…」


由紀と康一がほぼ同時に振りむき、そしてその異常に気がついた。
敵スタンドが居たはずの場所から消えている。それはつまり……


「ジョルノ君!待って!!」




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