-->私にとっては過去の出来事だ | ナノ
consapevolizzarsi



アレから、三日はたった。

月は七月になる。

ここ三日ギアッチョと、きちんと会話した記憶はない。
それどころか、まともに顔を合わせた記憶もない。

お互い、気まずいんだ。
つまりは、ギアッチョにも思うところがあって、私にも思うところがあって。

時が解決するとあの時は思っていたけれど、正直、これは何か辛い。
周りもなんとなく察してくれているようで、妙な気遣いがあってまたそれが辛い。


こんなことじゃあだめだ。

時が解決するかもしれないけれど、何か行動を起こさないとこのまま微妙な関係がいつまでも続いてしまう。


「ごちそうさまでした。」


昼食を食べ終わり、周りを見る。

ギアッチョは、もう食べ終わっていてソファの方で座って雑誌を読んでいる。
食べ終わった食器をキッチンの方へ持っていくととりあえず、意を決してソファの方へ向かう。

珍しく全員そろっていた昼食席が、ざわついたような気がした。


「…………」

「………」


思い切ってギアッチョの隣に座る。
昼食席からうわ、等の声も聞こえるけれど気にしてはいけない。
気にしてはいけないけれどすごく、気まずい。
気まずさが爆発してもおかしくない。
気まずさが爆発するって何だ?いや、今はそんなことはどうでもいい。


ギアッチョは依然、雑誌に集中している。
こちらをちらりとも見ることはない。

私が隣に座った事はもちろんわかっているはずだ。
きっと、ちらりとも見れば目が合う可能性がある。
目があってしまったら、何かしら会話をしなければならないような微妙な空気になる。

私が狙っていたのは、それだ。
何かがきっかけで話すことによる、進展を待っていた。

けれど、ギアッチョがこちらを見ることなく立ち上がってしまえばどうしようもない。


「………」


ギアッチョが、こちらを少しでも見てくれるのを待つ。
あからさまな視線を向けて、なんでもいい、話しかけてくれるのを、話すきっかけを待つ。


昼食席すらもしんとし、アジトのリビングは静寂に包まれる。


その静寂を破ったのは、私でもギアッチョでもなかった。


「ああッ!!」


「ッ!?うるせぇな、急に叫ぶんじゃあねーよ!!」声がしたのは、昼食席。
雑誌を読みながら行儀悪く食事しているメローネが発したものであった。

その声に驚いたのかギアッチョはメローネに怒声を上げる。


「今日の夜流星群らしいよ!!みよーぜ今夜!!」

「りゅ、流星群〜?」

「この雰囲気でいいだすことか……それ」


流星群。
そんなものが今日あったのか。すごく今は関係ないけれど。

そのためペッシとイルーゾォはメローネにあきれた目線を向けて言う。


「やん、そんな目で見るなよ〜。せっかく今日は皆非番だしさ、酒とかも持って天体観測と行こうぜ?」

「今いう話じゃあねーだろーがボケッ!」


メローネって、星を見るのが趣味なのかな?
だからって全員巻き込むなんて……

なにより、ギアッチョの怒りが増しているし……。


「偶には良い事言うじゃあねーか。」


メローネの言葉に一番に賛成したのは、兄貴だった。


「あ、兄貴?」

「やだなー、オレはいっつも良い事言ってるって。」

「ハン、どうだかな。だが、今の提案は気に入ったぜ。星見酒なんてなかなか良いじゃあねーか。なァ?テメーら!」

「…確かに、悪くはねェ〜な。」

「あ、兄貴がいうなら」

兄貴の次に同意したのはホルマジオ。そしてペッシ。
うーん、天体観測というよりお酒メインな気がするけど、兄貴とホルマジオに関しては。


「うーん、お酒はともかく流星群はちょっと見たいかなー。ねえソルベ」

「全く使っていない屋上もあることだしな……。」

ようやく星がメインと思われる参加表明をジェラートとソルベがする。
そういえば、どこで見るんだろうと思っていたけれどここには屋上があるんだった。
洗濯にもなににも使わないので一体何に使っているんだと思っていたけれど、この感じだと無用の長物になっていたみたいだ。


なんだかだんだん場が、天体観測をする雰囲気になっている。


「イルーゾォ、あんたも見るよな?」

「……別に、悪くはないけど」

「やった決定ッ!後は」


メローネはリーダーの方を見る。
……全員参加を狙っているなら、ギアッチョは良いんだろうか?私はともかく。


「まあそこの二人は参加だろうからいいとして」

「オイッ!なに勝手に決めて「リゾットー、この人数参加するんだからいいよな?」


そこの二人というのは私とギアッチョの事だろう。
見事選択権がないということでギアッチョが文句を言うもメローネは完全に無視してリーダーに聞く。

そうか、リーダーが参加するなら、ほぼ全員が参加するわけだからもう全員で見る雰囲気になるというわけか。

「そうだな。偶には悪くない。」

「そうときまれば今日は天体観測会だ!」


「嘘だろリゾットッ!!」


あっさりと承諾するリーダーにギアッチョがいう。
たぶん、最後の砦と期待していたんだろう。この様子だと。


「お前らが珍しく一致団結しているのに水はさせないさ。」

「さっすがー大人。」

「一致団結してねえよッ!!つか、俺は」

「はいはい、全員参加で。」

「勝手に決めんなッ!!後離せッ!何しやがるテメーらッ」

「本当にうるせ―ガキだな…。屋上使うんだから掃除しに行くに決まってんだろ」

「ハァ!?俺は関係ねーよッ」


いつの間にかギアッチョの左右に回り込んでいたメローネと兄貴がずるずるギアッチョを引きずっていく。

これは、強制参加の流れだ。


何よりも、この急な天体観測会……流石にわかった。
ギアッチョ気づいたかどうかわからないけれど、チーム全員に気を使われた。


……このチャンスを、生かさないと


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