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私にとっては過去の出来事だ | ナノ
bisbetico
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六月も終りに差し掛かり、ますます日差しが強くなってきたイタリアで、私は相変わらずな生活をしている。
相変わらずな生活というのは、家事炊事買い出し。そんな感じだ。
「由紀朝から働き者だねー由紀!」
「、ひ、メローネ!?」
今日も日課の洗濯ものを、今回は昼に干した。部屋干しなので特に時間を選ばないで干せるのが良いところだ。
干したところで突然後ろから抱き締められる。
これは、メローネだということはよくわかるというかこんなことするのはメローネくらいしかいない。
もう三週間は経ったかあの日、六月の初め。
本当に二日後何事もなかったようにメローネは戻っていた。
結局、あの理由は何も分からなかったけれど、私には何もできなかったのだからもう訊く事も出来ない。
「いやー、女の子を触るのはいいねー」
「ちょっとどこ触ってんの!?これから買い出しに」
「いいじゃん、ちょっとだけだからさー」
まあつまり本当にいつもの通りというわけで、気を抜くとセクハラの日々である。
減るもんじゃあるまいしって、この人に触られると色々と減る気がする。
主に私の精神力とか
「何してやがるこのボケッ」
「ディ・モールト!?」
わけのわからない奇声を上げてメローネの手が離れる。
そのままどさっと床に倒れこむ音。
「あ、ギアッチョ」
「あ、ギアッチョ…じゃあねーよ、こいつになら問答無用でスタンド使えっつってんだろ」
ギアッチョがどうやらメローネを殴ったみたいで、そのためメローネがそこでごろごろして悶えている。
実に痛そうなところ微妙に喜びが混ざっているところ本当にメローネと言える。
「うーん、でも、仲間だし」
「そうだよね!仲間に暴力はよくない」
「仲間でもセクハラされたら返せ。」
「えっそれってセクハラで由紀が返してくれるって「もう黙ってろテメーはッ!」ゴフッ」
今度はアッパーだ。
ピクリとも動かなくなったメローネ。
……うん、これならちょっとソードに甘噛みされていたほうがまだ可哀そうじゃあないからそうしよう。
あと、セクハラをセクハラで返すってどういうことだ。
「つか今日は買い出しっつっただろーが。こんな奴相手にしないで行くぞ」
「……え?」
あれ?今日の買い出しはイルーゾォとだった気が
なんでギアッチョと行くみたいな事になってるんだろう?
「あの、今日の買い出しってイルーゾォと」
「イルーゾォの野郎が急用が入ったから代わりに行けって言われたんだよ。なんか文句あんのか?」
別に、文句はないけれど。
そうか、そういうことなら仕方ない。イルーゾォにだっていろいろあるもんね。
たしか今日の買い出しは切れた日用品の買い出しで、あまり荷物にならないからちょっと遊んでいけるかななんて思っていたけれど、無理かもしれない。
「ない、けど。あの、メローネは?」
床に倒れこむメローネはどうするんだろう。
流石にこれはどうかと思うのだけれど
「あ?そいつは勝手に何とかすんだろ。いちいち気にしてんな。さっさと行くぞ」
そう言われて腕をひかれる。
もう外に行く準備はできているのだけれど、なんだか憂鬱だ。
ギアッチョの事が嫌いなわけじゃあない。
この前の事もあって、本当にいい人だなって思っている。
けれど、なんか最近怖い。
私と会うと、なぜか大抵イライラしているから。
私、何かしちゃったのかな………。
※
矛盾した言葉、曖昧な定義、勝手な定着。
わけのわからんものは昔から嫌いだ。理由のない常識っつーのは最たるもので、それをさも当たり前のように騙るやつはぶん殴りたくなる。
キレやすい、怒りっぽい、そう言うのは自覚のうちにある。
それには理由はあって、それを自分は理解している。
理解していて怒っている。イラついている。
が、最近意味がわからねー事がある。
『今日の買い出しってイルーゾォと』
『メローネは?』
こいつ、由紀の口からそう言った矛盾、曖昧、勝手な定着以外の言葉。そう、他の奴の名前が出た時にどうにもイラつく。
なんでか、そんなことは全く分からない。
とにかく、誰の名前であろうと、由紀が何かしらの思いを持って他の奴の名前を言うのが気にくわねェ。
由紀がメローネのセクハラにスグにスタンドで反応しねぇのもイラつく。
それはなんでだ?
理由を探してもその答えは出ない。
矛盾した、曖昧な、そんなものはそこにはない。
こいつが嫌いなのか?といえばそんな事はない。
大体嫌いなら関わりたくもねえし、あの泣いていたときにあんなことする気にもならねえはずだ。
つか、あの時の事もいまだに意味がわからねえ。
女が泣いていたら慰める、なんてプロシュートやらメローネの奴なら当たり前だとか言いそうだが、俺は正直女がその辺で泣いていようがなにしてようがどうでもいい。
じゃあ、一体これはどういうことなんだよ
とにかく、イライラする。
むかつく。
こいつの一挙一動に一喜一憂しているみてぇで、それを考えるとまたむかつく。
Prima _ prossimo
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