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私にとっては過去の出来事だ | ナノ
citta
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「これから俺は仕事だ。始めに言った通り、絶対に外には出ないよう」
「はーい」
出がけにくぎを刺されて、数十分。
「おい由紀、出るぞ」
「はい?」
逆のことを言われて困った私がいた。
※
朝の騒がしい時間が終わって、メローネがふらっと外に出ると言って出ていき、イルーゾォが仕事に行き、それからリーダーが私に絶対に外には出るなと言って仕事に行き、読めもしないイタリアの雑誌を写真となんとなく読める英語部分を眺めて数十分経った時だった。
「おい由紀、出るぞ」
そう、くぎを刺されたことと間逆のことを言われたのは。
「いやいや、兄貴、私ついさっきリーダーにここから出てはいけないと言われたばかりなんですが。」
兄貴という呼び方に関しては、それでもけっこう年上に呼び捨てはいかがなものかと、どうしようかと迷った結果ペッシが兄貴と言っていたのを思い出して思いついた結果だ。
所謂、苦肉の策。
さん付けと敬語は気持ち悪いとここで会った人ほぼ全員に言われた結果である。
「スタンドをしまうなりしていきゃ問題ねぇだろ。さっさと支度しな。」
スタンドをしまう、のはちょっと抵抗が。なにしろいつも出しっぱなしにしているからなにか違和感を感じて仕方なくなってしまう。
「普通の犬サイズにするとかじゃあだめ?」
「スタンド使いから見てわかんねえなら何でもいい。」
「じゃあお言葉に甘えて」
中型犬程度まで大きさを落として、兄貴の方を見る。
便利なもんだなと言われたけれど、まさか、スタンドの大きさを自由に変えられること……しらな……まあいいや。
「街に出るとして、何するんです?」
「何をするも、昨日お前の訓練は俺が付けるって言っただろ」
「えっ」
言われたっけ。
いや、たしかリーダーが考えておくと言っただけで詳しいことは一切決まっていないはず。つまり、独断。
「訓練、」
「訓練っつっても、まずは土地勘を付けねえとな。だから今日はこの辺の地理を理解してもらう。」
「いや、でもリーダーが出るなって」
明確な上下関係のようなものは一切見えないけれど、あの人が一応ここでは一番偉いんだよね?
偉いなら、その言葉の方が優先すべき事項な気が……
そう思っていると、目の前の彼は随分とイラつ居ている様子である。
そんな風にされても、また私が困るわけで
「リゾットが、そう命令したか?」
頷く。ようやく理解してくれたのなら良い。
私も出たくないわけではないし、寧ろイタリアを見て回りたい気持ちだってあるのを我慢して断ってい
「だったら問題ねえ、さっさと行くぞ」
「……は、い!?」
少々頭までその言葉が到達するのが遅れたけれど、この人は何を言っているんだ。
リーダーに命令されたのならだめだと諦める、いやむしろ二人は同じチーム、同じ目的、同じ方面なんだからまず私に外に出ようという案を投げかける時点でおかしいっていうのに。
「リゾットが言おうがなんだろうが関係ねぇよ、ここではオレが法だ。」
わー、決め顔でそんなセリフ言う人現実世界で初めて見たー!
無駄にかっこいい表情で、それこそマンガとかの一コマみたいな。
「さ、さいですか」
「わかったならさっさとついて来い。行くぜ」
支度は出来ているということもあって腕を掴まれ玄関の方に。
ほ、本当に良いんだろうか、これは。
あんなに念を押されて外に出るなって言われたのに。
「ちょーっと待って!せめて帽子とかメガネとか、少しでも顔をごまかせるものを!」
何故私がこんなに心配しないといけないのか。普通正体がばれるだろうと怒ったりするのは向こうなのでは?
「メガネだァ?んなもんねェよ」
「ぼ、帽子とかは」
「女用の帽子なんか……ありそうにはありそうだが今は無理だ」
今は無理って。いや、そこはきっと触れてはいけないんだ。
さすがに男物帽子じゃもはやおかしいことになるし……
「はい、メガネ」
「あ、どうも……って、」
「あ、なかなかぴったり。よかったね」
あっけにとられているところ勝手にメガネを付けられる。
度は…頭が痛くならないところ、ピッタリだ。
……自分、目が悪くなってたんだ…。
じゃあなくて!
「気が効くじゃねーか、ジェラート」
「お前等がいつまでもうるさいからだ。」
「ちょちょちょ、待って二人は止める立場にあるんじゃないの」
メガネをかけたのはジェラート、不機嫌そうにそれを見てるのがソルベ。兄貴とは違ってこの二人なら止めてくれるものだと思っていたのに。
「こうやる気のプロシュートを止めるのは面倒くさいからパス。」
「静かになれば俺は何でもいい。」
「良くわかってるな、オメーら。」
よくわかってるもなにも、絶対に良い意味じゃないから。
大丈夫なのかな、このチーム……。なんか部外者である私が心配になってきた。
Prima _ prossimo
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