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私にとっては過去の出来事だ | ナノ
consapevolizzarsi 1
「ねえ、メローネ」
「お、ディ・モールト良い顔だね由紀」
「おかげさまで。」
天体観測会はまだまだ続いている。といっても、星を見ているのなんて正直少数でほとんどが酒を煽っているけれど。
そんななか、どうしても言いたい事があってメローネに駆け寄った。
「ところでね、メローネ。今日は何の流星群なの?」
「今日はねー、なんだったかなー」
「……そっか。ありがとう」
「別になにもしてないさ。適当に酒飲む口実作っただけ。」
「それでも、ありがとう」
流星なんか、一個も流れていない。
それに対して、何かいう人はいない。
最初から、やっぱり皆に気を使われていたんだ。私たちは。
だから、最初にきっかけをくれたメローネにはどうしても感謝したかった。ありがとうって。
「ところで、告白の方の返事はどうしたんだい?」
「こくはく?」
「……え?この勢いに任せてあいつ何もしていないのか。せっかくのチャンスなのに俺なら絶対持ち帰るぜ部屋に「オイ、なにぶつくさいってやがる」
「あ、ギアッチョ。」
「ギアッチョー、チャンスいかせ「とりあえず黙れテメーはッ!!」うわー暴力反対!」
一体何の話かは分からないけれど、どうやらメローネの発言がギアッチョの逆鱗に触れたみたいで、ギアッチョがメローネを追いかけている。
なんだか、今日も平和で、とてもうれしくなる。
きっと明日は楽しくて、それがまた嬉しくて。
その最後に、いつか、私が帰ることになったとして。10年先の未来。
その時も、この人たちと会える事を、祈らずには居られなかった。
※
それは、ある種の感染病に近い。
とある感染者から感染者へ。
場所によっては子供も大人も感染する病であった。
その病が完治することはまずなく、その病により映される甘美で倒錯的な世界を永遠に体感しようとする。
病にかかるものは老若男女関係ない。
感染するきっかけがあれば簡単に菌は潜伏し、そのまま発病に至る。
潜伏期間に体は菌を求める。感染することを望む、発病を望む。
その感染病の菌は、たった一人の人物がばらまくように指示したものであった。
その感染病は、簡単に人を壊す事が出来た。
その感染病は、簡単に一つの村をつぶしてしまった。
感染は、巧みな言葉を媒介にやってくる。
感染するのにも金は必要で、感知できなくとも治療にはさらに金がかかる。
悪循環極まるこの病。百害あって一利なし。
「あともう少しで、あいつのことが分かると思うと、高揚してたまらないんだよ」
探していた。菌をばらまくその人物の正体を。
「ああ、このまま行けばスグに手掛かりに手が届く…」
探していた。菌をばらまいたそいつの弱みを。
感染症は今も広がり、人間を食いつぶす。
甘美な夢を、楽園を、天国を、理想郷を、最後に見えるのは蛆虫の這うような地獄以外に変わりない。
あと一歩、あと数mm
追いつめられるのは簡単だ。追いつめるのは難しい。
手がかりに手が届いたその時、微笑んでいるのはどちらか?
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