-->私にとっては過去の出来事だ | ナノ

Una squadra



「そんなことはどォでもいいッ、由紀お前歳は幾つだ?」


「近々15になりますが」


「エーッ14!?嘘だァー、俺と3つしかちがわないじゃん」


「おめー……俺と2つしかちがわねーのかよ」

(まずい、本当にロリコンなんかじゃアなかったぜ……)


日本人は若く見られがちというけれど、そんなに子供に見えていたのかな……?身長も結構あるから、子供に見られることってめったにないんだけれど。


「15になるっつーことは今14だろ?」


「はい。」


そう答えると、プロシュートさんに顎を掴まれ顔を近づけられる。

え、なにこれ。スーパーイケメンタイム?


「いい眼してるな、お前」


「へ?」


「こんな状況に居てもお前の眼に怯えは感情は無い。14歳にしては上出来だ。東洋人は控えめな性格の上に、臆病だと聞いていたがそんなことねぇようだな。リゾット、こいつの教育係……俺が引き受けてやるぜ?」


どうしたものかと真っ直ぐ目をそらさないでいたら、そんなことを言われた。
教育担当も何も、リーダーさんは私に仕事はさせないと言っていた。それに、教育って、なんの?


「プロシュート、由紀に俺らの仕事を手伝わせるつもりはない。あくまで来るべき時の切り札だ。」


「誰も仕事を手伝わせるためとは言ってねーだろ。切り札にするにしても、多少訓練は必要だ。」


切り札。訓練。いったい来るべき時に私が何をするのかは分からないけれど、スタンド使いと戦うのならそれなりに慣れている。たとえそれがその道のプロだとしても。

あの親や知り合いを持っていれば自然とそうなるに決まっている。


「プロシュート、おめーは本当に才能あるやつに対しては積極的だな〜」


ホルマジオさんがやれやれといったかんじに笑いながら言う。
才能。スタンドの?いや、スタンド使いはたくさんいる。そう言う意味じゃあないんだろう。


「夜の訓練なら俺にお任せ……「テメーは黙ってろっつってんだろーがッ!」」


「見境なし。」


またもやギアッチョにぶん殴られているメローネさん。懲りないな、この人。

それから先程結局一発殴られたイルーゾォさんが、片頬抑えながらそれを見てぼそっとそう言っていた。


「来るべき時の為の訓練……確かに必要かもしれないが、お前はすでに一人教育途中だろう?」


「一人も二人も俺には変わらねえ。……ペッシッ、いい加減入ってきたらどうだ」


閉まっているドアを見てプロシュートさんが言う。まだ居たんだ、このチーム。
少し間があいて、ドアノブがゆっくり動く。そして、ドアが開いた。


「う、あ、えっと……」


「はじめまして、花京院由紀です。」


入ってきたのは私よりも一回りは大きいであろう人。
大きいけれど、なんだろう、今までの誰よりも……人見知り、してるとでも言うのかな。


「女の子前に褒め言葉のひとつも出なきゃあ、一人前のイタリアーノにはまだ遠いねェー」

「ジェラート、あまりからかうな……。そういう年頃なんだろう。」


そんな態度の彼をみて、ソルベさんとジェラートさんが茶々を入れる。
そう言う年頃って言うことは、私と大差年が変わんないのかな?


「名前を言い返すこともできねーのか、このマンモーニは。由紀、こいつはペッシだ。俺が教育担当をしている。歳はおめーの一個上だが……御覧の通り、お前ほどの度胸は持っちゃあいねェ。才能はあるんだがな。」


「す、すいやせん。兄貴」


「度胸……。殺し屋雇われて数名に始末されかければつくんじゃあないですか?」


昔父さんと母さんが倒したDIOの残党に雇われた殺し屋やらいろんなものに狙われたことを思い出す。
そう言う点については、ある意味怖いもの知らずなのかもしれない、自分は。


「確かに、そんなこともあればちったァ度胸がつくかもしれねーなァ。」


「ま、そんなことされたらオレ確実に死んじまいますよッ!勘弁してくださいッ!!」


「返り討ちにしてやる、くらいの発想はできねーのか……それにしても、本当にそんな目に遭った見たいに話すな、お前。」


「みたいもなにも、遭っ「リゾット、これで全員との顔合わせも済んだんだ、これからこいつをどうするかの話を続けねぇのか?」」


「……そうだな。まず先程プロシュートの言っていた訓練の話だが」


あ、私、ここでは身寄りのない子供だった。
お父さんの話とか出しちゃおかしいんだった……。

ギアッチョが今フォロー入れてくれてなかったら危なかった……。せっかく何とかなりそうな雰囲気だったのに、ぶち壊しになっちゃう。


「確かに、スタンドを使えること以外はただの少女が切り札では心もとない。訓練については俺の方で考えておく。そして、部屋の件だが……」


「もっちろん俺だよね?ね!」


「メローネ、お前は無いから安心しろ。当分は、ギアッチョの部屋でもいいな」


「ハ?なにトチ狂ったこと言ってやがる!?」


リーダーさんの言葉にすごい速さで反論が。
……自分からしてみれば、このチームに女の人がいない時点で誰の部屋になろうが同じことだと思う。だいたい命の保証はされているのだから何でもいい。

あ、さっきからことごとく否定されているメローネさんは嫌かもしれない。


「お前が連れてきたんじゃあないか。連れてきたやつが面倒を見るのが常識だろう?」


「こいつは犬や猫かッ!」


「連れているのが犬に似ているから、犬なんじゃあないのか?」


「そういう意図での質問じゃあねーよッ!!」



犬じゃあなくてオオカミなんだけどなー……ああ、何とも言えない顔でソードがみてくる。
他の人たちは笑い噛み殺してたり、普通に笑っていたり。
リーダーさんはあれなのかな、天然なのかな?


「なら今日だけはそうしろ。俺の部屋の次に広いんだからいいだろう?」


「次にな。しかもほんの数ミリ差だけどなッ、他のやつの部屋と比べて広いのは。あんたの部屋が一目瞭然ででけえじゃあねーか」


「わかった、明日からは俺の部屋でいい。」


「だから今は今日の話をだなッ!!」


「今日はメローネとゆっくり話があるからな……」


「やん、リゾット俺に何するつもり?」


「……永遠の眠りにつかせてやる」



永遠の眠りって。

このままだとギアッチョの部屋になりそうだなー、今日は。


リーダーさんの圧力に負けたのか、ギアッチョはなんか毒づいていたけれど結局折れた見たいだった。


「チッ」


舌打ちして、ギアッチョは部屋を出る。
そんなに、私と同室は嫌ですか、そうですか。
少し悲しいような。


「照れ隠し見て〜なもんだから気にすんな。お前確かギアッチョに連れてこられたんだろ?」

「は、はい。……そうなんですか?ホルマジオさん」


「あー、さん付けとか敬語はいらね―ぜ。あのギアッチョがこんなことしてる時点で明日地球が終わるんじゃあねーかってくれーの話なんだよ。」


明日地球が終わるんじゃないかと思うくらいの事が起きているのか、今。

それはそれで喩がすごくあれだけれど、どうなんだろう。


「そんなに、すごいことなの?」


「何があったかはしらね―けど、嬢ちゃんけっこ〜気に入られてるぜェ。」


これもスタンド使いは引かれ合う、のひとつなのか。
でも、嫌われてるじゃないから普通に嬉しい。

……だからって、これ本当にそうなのか分からないけど。


「オイ由紀、いつまでこの部屋に居るんだよ。さっさとついて来い」


「え、?」


うーん、と考えていたらさっき出ていったはずのギアッチョが戻ってきて私の腕を引く。
いや、ついて来いとかも言われてないし、なにかあるんだろうか。


「今日は俺の部屋使うんだろーが。場所を教えてやる。」


「あ、そっか。」


私が腕を引かれてそのままついて行くと、今まで部屋で伏せっていたソードも私の後を追いかけともに部屋を出る。


「……なんだよあれ」


「これ、もしかして春が来たーってやつ?」


「にしても、まだまだだな。女の扱いってやつがまるでわかっちゃいねェ。」


「由紀に負けないようにしないと……!!」


「ところでリーダー、自分の名前は伝えたの?」

「…人の名前は伝えておいてそれは無いだろ……。」


「あ。」


「「「「嘘だろッリゾット!!」」」」




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