散々人間を辞めた、人間を超越した、喚いて起きながら、最期に彼はその人間によって太陽に晒されて灰になる。
なんと滑稽か、なんと悲哀か、なんという喜劇か、なんという終幕か。
大団円を望めないことくらい、この男は何処かで理解していただろうか。否、絶対の自身だ。死ぬはずないという。
結局、この男は人間を超越なんて出来ていない。日光に晒されるだけで崩れ落ちるなど人間よりも脆い。
とはいえ、闇夜ならば彼は無敵と言える。まぁ、闇夜に倒されたのだからこれも間違ってると言えるが。
ならば彼はなんなのだ。
人間では無く、だからといってそれを遥かに凌駕するものでもなく。
至極中途半端な存在だ。
だが、私の目からみれば其れは人間だった。人間を逸脱しようとしていた人間。これを聞けば彼はなんと言うだろうか。しかし、それは私の出した最終結論である。
彼は人間だ。
だから、私はこうなることがわかっていた。
人間を好きになったところで、寿命が現実を突きつけると。
ああ、これからはあの顔も声も聞けない生活が始まる!
不老不死を謳い、永遠を前提とする理想論を語るあの様も見ることが出来ないなんてなんて、

なんて感情を、得てしまったんだ。

人間だって、知っていたのに。



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