三部悪連載小ネタ
『正義があるとしたら、あなたは正義と対比するために居る悪よね』
そう、彼に言った時のことを思い出す。
因果はつながりつながって、朽ち果てることもせずにそのまま残り続ける。
まるで、童話の悪い魔女みたいだ。
彼は童話の勧善懲悪の末のハッピーエンドを生み出すために、殺されるためだけに作られた魔女のようだった。
ただ、彼はどこまでも禍根を残して、主人公の世界ごと壊し切ってしまったけれど。
「どこまでも、迷惑をかけないでほしいわ。やり直す身にもなってみなさいよ」
禍根は世界を壊し切り、リセットし、付け入る隙を私にくれる。
ここまで彼の予想通りなら、私はなんて馬鹿な道化師だろう?
「A、やるのですか?」
「ええ、やるわよ」
「いいんですよ?A、あんな人のことなんて気にしなくて」
「……だめよ、約束したのだから」
1000年の旅はまだ終わらない。
私が連れるのは、忠実なる執事と金髪の少年。
「さあ、始めましょう。永遠の夢を見るために。」