短編 | ナノ
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※多少のグロテスク表現、暴力表現、流血表現があります。


















何回刺せば、死ぬんだろう。


何回殴れば、死ぬんだろう。


何回突き落したら、死ぬんだろう。


何回首を締めたら、死ぬんだろう。



私は一つの目標の為に、繰り返す。




「ボス、おはようございます。いい朝ですね。」


「……おはようヨシノ、頼むからその拳銃をおろし」


パンッと乾いた音の後に硝煙と少々生臭い臭いが鼻を掠める。あまり好きな臭いではないので持っているファ○リーズをそこら中に吹き掛け、朝食ができていることを多分生き返って聞こえているだろうボスに言って部屋を出た。

毎朝拳銃をぶっ放しても死なないなんて、ボスは頑丈だ畜生などと思い小さく舌打ちをしたら、舌打ちが聞こえていたようで部屋からすすり泣く音がした。ちょっと前までは絶頂は何とかとか言っていたボスの面影はないようで私は溜息をついた。



「生きているならさっさと朝食食べに来てください」


そう言ってリビングのほうに私は向かい、少しすればボスもリビングに来た。
コルネットとカフェラッテの置いてある、私の向かいの席に座ると訝しげな表情をしカフェラッテを見ていた。


「変な臭いはしないな……」


「この前みたいにカフェラッテにヒ素なんか入れてませんよ。さっさと食べて飲んじゃってください」


「青酸カリが入ってたり、アマトキシンが混入してたりしただろうッ!」


ボスが声を荒げて言う。

そんなボスに私は適度にスルーしつつ、カフェラッテの安全性は確かだと伝えるとようやくカフェラッテを口にした。全く、そんな危機感を感じるのならもっと車にひかれたりしないようにとか、マンホールに落下しないようにとかすればいいのに。それで死んでしまったらそれはそれでいいのかもしれないけれど。


「ほら、大丈夫だったでしょう」


一口飲み、カップをまたテーブルの上に置いたボスに訊くと確かに刺激物とかの味はしなかったと言われた。作った本人が居れていないと言えば入っているはずないのだから当たり前だろうと思いつつ、私は自分のすでに飲み終わったカップを洗いにキッチンに向かう。


「ボスもさっさと食べちゃってくださいね、片付かないんで。」


「……わかった。」


今日の食事は安全だと思ったのかボスは黙々とコルネットを食べ始める。


さて、彼が何者で何故私の家にいるか。

ボス……ディアボロはパッショーネという構成員は756人のイタリアのギャング組織の頂点に立つ人間だ。ネアポリスのホテル・舟運・建築・葬儀などを支配しているくらいに大きな組織で、麻薬に手を出してからはさらに組織が急成長。まさに絶頂ってやつだった。

まあそこまでは良かったのだけれど……とある部下の反逆でボスは負けて、ジョルノって子が新しいボスとなったとか。

ボスが代わって色々混乱していた時期に私は組織から失踪したから良くは知らない。知ろうともしていない。


その負けた時がとても厄介だった。ジョルノの能力で一生死に続け死ねない体になったらしい。


組織を抜けてこの田舎にひっそりと暮らし始めたある日、私の目の前にかびたピンク頭の男が『俺のそばに近寄るなー』とか叫びながら現れ、そのまま逃げようとして壁に思い切り衝突して死んだ。
これが、私とボスの直接的に初めて出会った時の事。
本当ならこの後にまた違う場所にワープするらしいけど、何故かしなかったらしくそのまま私の家に住み着いた。


後々それが今まで崇拝してきたボスと知ると私はガッカリとしたものだ。






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