短編 | ナノ
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悪夢を見た


「DIO様って不老不死ってやつですよね」

「それがどうかしたのか?」


「でも日光浴したら即死ですよね。」

「そうだが…それが何かあるのか」


「なんか永遠っていうのも儚いものですよね。」



普通の人には大したことのないものがDIO様には脅威で、

普通の人が最も恐れるいつか来る死がDIO様にとっては無関係。


ふと、それが妙に不思議なことだな、と思った。


「矛盾してるぞ、その言葉」


「矛盾してるのはあなたの存在ですよDIO様。
ヘタしたら一瞬でいなくなるじゃないですか。」


「私がそんな簡単に消えると思っているのか?ヨシノは」

「思ってます」


「うりぃ…」


即答するとDIO様は少し悲しそうだった。

そんな中でも私の脳内には

この人は本当に120年も生きているのか、


その間にはいったい何があったのか、


本当にこの人は私の前に永遠に存在し続けるのか


そんな考えが消えなかった。





「何があった?」


「え?」


DIO様がいつの間にか私の顔を覗き込んでいた。

少し驚いた。


「ヨシノのことだ、どうせ私に関する夢を見てそれに不安要素があったのだろう」


「…何でわかるんですか」


そんなことばっかり、と付け足そうとしたけどやめた。


「どんな夢を見たのかは知らないが、このDIOが消えるわけなかろう。」


そう言ってDIO様は私を抱きしめた。

「私の存在が矛盾と言うなら、それが矛盾じゃあない証拠を、永遠をお前に見せよう。」


「DIO様…」


「…だから、もう要らない心配をするなヨシノ「そうじゃなくて苦し…肋骨折れ…」何ッ!?」


そう言うとすぐ離してくれる。

この人とのスキンシップは体が持たない。


「だ、大丈夫かヨシノ」

「私の夢通りに日光浴して灰になってくださいDIO様」


「!?

―それより悪夢の内容は私が日光浴しただと!?」





一瞬死ぬかとは思ったけど、DIO様のおかげで心にかかっていた靄は消えた気がした。

「…まあいいです、とりあえずこれで目は覚めました。」


「そ、そうか、それは良かった。」


よくねーよ、と言いたいけどさっきのはわざとではなくてこの人の一種の愛情表現だから言うのはやめた。


「私に、言葉の通り永遠を見せてください。」


私に永遠はないから、貴方が存在し続けることで永遠を見ることができるから、


「簡単な願いだな。」


DIO様は笑っていた。


「お前が存在するときに、私はお前の目の前に居続けてやろう。」


「ええ、お願いします。」





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