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とある昼下がりのカフェ、
「1958×86=1958を上回る数字…ヨシノ、なにこれ?」
「これは正解だね!」
「…今は謎々してるんじゃねェ―ッ!!」
「知ってるわそれくらい!!バカにするな!」
テーブルの上のグラスが落ちて割れた
「また始まったか…」
護衛チーム一同はそれを遠巻きに見ていた。
フーゴと、ヨシノの喧嘩を。
「どうしてこんな答えをするんだよ!
せめて計算をしろ!」
「計算をしろとは一言も言われてませんー、これやってみてっていわれましたー」
「屁理屈を言うな!!このド低脳!」
「言ったな!空気のくせにッ!」
悪口の言い合い、
流血沙汰にこそならないものの、回りには迷惑だった。
「なあミスタ、1958×86って156?」
「…ナランチャ、今は黙っておけ。」
そんな答えをいまのフーゴに言えば、
確実にナランチャの居るこちらにも被害が来ると思い、ミスタはそれ以上言うなとナランチャを止めた。
ブチャラティはどうしたものかと二人を見て、アバッキオは我関せずと見もしていない。
ジョルノにいたっては新入りにもかかわらずこの状況に対して別に驚いたりということもない。
「だいたい、答えが出ないのなら最初からやり方を聞けばいいだろッ!そんな答えを出すよりよっぽどましだ!!」
「別にやり方分かんないわけじゃないですー、フーゴが計算しろとは言わなかったから茶目っ気を出してみただけですー、」
「そんな茶目っ気いらない!答えをしっかり出せ!」
「1958×86くらいできないわ!」
「結局できないんじゃあないか!くらいとか一瞬期待させるな!!」
「知るか!勝手に期待したフーゴが悪い!」
ケンカはますますヒートアップしていく。
フーゴが切れた相手がいつもの通りナランチャならすぐに仲直りをするのだが、ヨシノになるとお互いが疲れてやめる以外に止まらないので困ったものである。
しかし今回は
「と、いうかいっそ勉強教えるのはやめたほうがいいんじゃあないですか。」
ジョルノの呟きから、事態は一変した。
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