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ふと、急に私に来た命令は裏切り者を始末しろ。
名指し。
名指しされなくとも、彼らがチームを裏切り大半が死んでいったのを私は知っている。
そして、最後まで残っているのが彼だということも。
ああ、私に越えられるだろうか、私に壊すことができるだろうか、追い抜くことはできるだろうか。
憧れていた人を、自分の手で始末するなんて。
始末できたら、私は彼を越えることができる、必要とされる人間になれるかもしれない。
後は全て簡単に終わってしまった。
彼は私のすべてを上回っている。
生まれて初めてだ、こんなに楽しくてつらかったのは。
あの彼が、こんな私を必要としてくれるなんて。
初めて人の目をきちんと見て、臆すことなく接することができるなんて。
死ぬのは怖い怖くない?
どうしようもなくどうしようもない話
なんてきれいな液体。透き通って透き通って
――あなたが平等に×してくれたおかげで必要とされる素晴らしさを知った
必要とする時が遅すぎたんですよ、あの時下手に関わって必要とすることを罪と思ったから。
それでも、平等に接してくれたことが嬉しいからどうでもいい話。
あの頃、自分は誰かに必要とされることを望んで、結局必要とされることが最後の最後となってしまったけれど
ありがとう、リーダー
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