2 (2/2)
このまま死にたい。
好きな人に殺されたい。
強く、強く締められて、死んだあとも体の一部が愛されるなんて幸せ。
殺してくれと懇願すれば、素直に応えてくれる貴方が好きでたまらない。
「これで、満足か?」
そう囁いて、私を殺してくれた。
きっとすごく面倒だったでしょう、いつもとは違う殺し方だもの。でも他の人と同じ殺され方は嫌。その他大勢と一緒なんて、それじゃあんまり。せっかく自分の手を切り落としてまでアピールしたのに。
貴方の人生で最後まで覚えていてもらうために、いいじゃないですか、永遠に一緒にいられるわけじゃあないもの。ほんのひととき、それを覚えていてもらうために。
意識が完全に落ちたら私はどこに行くんだろう、こんなによくだらけの私はきっと地獄行き。
地獄に落ちたら救われる。天国に昇ればまた会える。
私に罰を、地獄で与えてください。
殺人依頼は立派な犯罪。独占欲も罪。我が儘だって罪。
純粋な貴方は天に来る。だって、いくら貴方が人を殺していたって、それは仕方のないことだったんだもの。人が否応なしに生命を奪うのと同じ。そんな貴方が地獄に落ちるわけなんてない。仮にあなたが落ちるなら、今頃地獄は人でいっぱいでしょうね。
だから、その時までに私の罪が晴れてるならそこで会いたい。
――結局二人が行きつく先は、天国でもなければ地獄でもない
幸福な死を(song by 初音ミク)
- 28 -
≪ | ≫