短編 | ナノ
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洗って返すつもりだったんだ、縮んだけど。縮むって知らなかったんだって。怒られて。結局貰っていまでもしているけど。春先の現在もしていて、正直暑い。そのうえメローネに色々からかわれたりした。


そしてあれからすぐに、暗殺チームでは騒動が起きた。ソルベとジェラートがボスから制裁を受けて殺され、その復讐劇が始まる。

リーダーがボスの娘の情報を掴んで、最初にホルマジオが護衛チームに接触……そのまま帰ってこなかった。次にイルーゾォがポンペイに向かって同じく帰ってこない。プロシュートとペッシの二人が行き、今度こそ大丈夫かと思えばまた駄目。

メローネはほとんどうまくいっていた。途中まで。現に私は進行状況を電話で聞いていた。……けれど、また駄目。


たった一週間もないうちに、暗殺チームがほとんど壊滅状態に追い詰められた。



「次、行くの?」



電話した時の私の声は確実に震えていたのを覚えている。


『行くの?じゃねェ、行くにきまってんだろーが。』


「メローネ、駄目だったみたいだよ。」


私が言うと、そうかと一言返される。電話がつながらなくなった時点で何となくわかっていたんだろう。


「……ここ最近で、みんな死んじゃったんだよね。」



『………』



「みんな強かったのに、みんな負けるはずなんてないような人たちばっかなのに。ホルマジオもイルーゾォもプロシュートもペッシもメローネもみんな。」



私の言葉を、電話越しにギアッチョは黙って聞いていた。
だんだん嗚咽が混じり、酷い声になりながらも私は話を続ける。


「やめれるわけないよ、やめたくもない、最後まで私だって抗うつもり。でも『次で勝ってくればいいんだろ。簡単じゃねェーか。』」



言葉を遮られ、言われた。自信ありげな声が耳に入る。



『ヨシノ、もし全員死ぬようなことがあったらなんて考えるな。オレがさっさとケリをつける。』



さっさとケリを付ける、ギアッチョの能力からしてそれは簡単なような気もする。でも、その分嫌な予感もする。


「……信じていい、よね。」



『信じろ。』



「わー強引。」


『後で一発だけ殴らせろ』


「すいませんでした」


馬鹿げた会話はいいとして、やっぱり信じるとしてもどうしても嫌な予感はした。

それでも、信じたかった。信じないとやっていけない。


「……いいたいことあるから、絶対戻ってきてよ。」


『何か言ったか?』


「いや、春先のマフラーは首が蒸れると」


『いい加減外せ、アホか。………奴等が来た。切るぜ、またな。』



ここで、切られたら最後になるような気がして


「ま、待って!!」


電話に向かって叫んだ。ただ、通話終了を伝える電子音が響く電話に向けて。

意味もなく大きな声で、柄にもなく叫んでいた。子供のように、行かないでと。



数時間後、もう一度かけた電話にギアッチョは出なかった。5分おきに何度も何度もかけても、一回として出ることはなかった。



『……こっちにかかってきてはいない』


「そう、じゃあリーダー……ギアッチョも再起不能にされたみたいです。」



リーダーに、その話をした時にはもう泣きそうになることもなかった。

あきらめ、にちかかったのかもしれない。


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