短編 | ナノ
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あれから季節がめぐって、

任務をしたり、また勉強でもめて助けて、たまに一緒に遊びに言って。



相変わらずの日々を過ごして。


新入りが入って、とんでもない事件が起きて。


そういえば、あれからどれくらい経ったのか。


事件の中で何回も死にかけたり、ねらわれたり。別れたり。


それでもずっと一緒にいて



「ねえ、ずっと一緒にいてくれるんじゃなかったの」



あなたが先に旅立ちました。






また一年たって、私は相変わらず組織にいます。


あなたの死んだ日が巡ってくると、とても寂しくて、あの日の喧嘩の時に流した涙以上に涙を流したりします。


過去の私へ、願いはかないませんでした。

もう、彼は私の隣にいません。

だけど、今私は変わらず幸せです。


ありきたりな言葉かもしれないけれど あなたに出会えたこと が幸せだったから。


ずっとずっと、言えないままいたけれど、今日こそ言います。



「あなたを、あなたを愛してるよ。」



また違う時に出会えたらいいなって思いながら、生きていく。





たとえば世界が明日、終わるとしたら


「どうする?」


「難しい質問すんなよ……ヨシノはどうする?」


質問を質問で返すなと怒りたいところだけれど、私は笑ってナランチャに答えた。


「私の場合は……単純なんだけどね……ナランチャのそばにただ居たいな」


この願いが、100年先までずっとかなうといいと思った。


未来の私、その時も私はまだ彼の隣にいますか?



――メリーメリーsong by 初音ミク






−一巡した世界−



「ヨシノ、もし俺が先に死んだらどうする?」


「え?何突然……ナランチャらしくないこと言って」


テレビとかにでも影響されたの?とヨシノが苦笑しつつ言う。


「どうするか答えてって」


答えをせかすナランチャに、ヨシノは考え悪戯な笑みを浮かべて


「すぐ忘れて、すぐいい人見つけちゃったりとか」


「えッ!?」


あまりのリアクションにヨシノは笑いを噛み殺しながら


「うん、本当に」


とからかい半分で言う。


「本当にッ、マジで?本気で言ってるのかよッ」


そろそろからかうのをやめるかとヨシノは


「そんなわけないよ、もちろん嘘」


と笑って言うと、


「な、なんだ嘘か……良かったァ〜……」


と心底安心したようにナランチャが言い、それを見て耐えれなくなってヨシノは吹き出した。




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