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自分はキチンと生きている。
自分はときどき笑ったりもしている。
それでも、どうしようもない隙間がある。
だんだんそれが広がって、自分が生きていていいのか分からなくなる時があり、
それほど、失った君は大切で、自分の中で重要だったことが分かった。
君と別れて数か月。
これが永遠の別れだなんていうのはやっぱりおかしいくらいにベタな展開で、その展開はとても残酷だった。
僕がどこまでも弱いのが原因。
あの時、君たちのほうについていけばよかったんだ。それはできなかったけれど。
あの時から、僕は君の事が好きだったよ。だから、僕は君を止めたんだ。
『行かないで』
って。震える声で、馬鹿みたいに。子供みたいに。
『それは無理』
君は苦笑して返した。困った顔して、これから何があるか大体わかっている顔していたから僕はそれ以上何も言えなかった。
いや、それ以上何か言って否定されるのが怖かったんだ。
それからあまり間を置かず君が死んだことを聞かされた。
やっぱり、と思ったよ。
君が居なくなってから僕は息苦しく生きているけれど、
……頭があまり良くない君に一応言うけど酸素が少ないとか肩身が狭いとかじゃなくて。
まぁ酸素が少ないには近いね、君が居ないから息がしづらいのだから。
正直これから死んでもいいけれど、僕がこれから死ぬのは君が許してくれるのかわからないからやめておく。
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