一日メイド罰ゲーム



「お帰りになって、ご主人様」


「……………は」


夜明け少し前の館の扉をあけると、そこにはメイドが居た。

それ以外に、説明のしようも何もない。


その前に、お帰りになってというのはどういう事か。その言葉がなぜかDIOの中では一番疑問に思う事になっていた。
あまりに不思議なことが起きると、その大きなことよりも多少おかしくないところのほうがよけいに目立ってしまうという現象だろうか。


目の前の彼女はいつもとは180度違う服、メイド服……いや、フレンチメイドというべきであろう服を着ている。
普段の黒いセーラーワンピースよりも短いスカート、ポニーテールの髪は解いてあり少々巻いたのか、ふわっとカールしている。さらにカチューシャには猫耳のような形をしており、DIOの知っているメイドとは違った。


「……家を間違えた。」


「え、ちょっと合って……」


目の前の光景を信じられず、DIOはゆっくりとドアを閉めた。

そう、自分の協力者がこんなメイドなわけがない。それもこんな。


もう一度門の方まで戻ると、いつものようにペットショップが見張っており、また戻ってきたDIOにどうしたのかとでも言いたげな目線を投げかけていた。


「……間違っていないのか」


ペットショップを見たことにより、やっぱりここは紛れもない自分の館だと再認識する。

では、先程のユーリはなんだったのか?メイド服を着ていた彼女は。スタンド攻撃で設けたのだろうか、仮にスタンド攻撃だとすればそのスタンドは何なのか。無差別にフレンチメイド服を着せるスタンド?それとも人にメイド精神でも植え込むスタンドなのか。いや、そんな馬鹿らしいスタンドがあってたまるか。


「ちょっとDIO!人の顔を見てすぐに間違えましたなんて出てくのはひどくないかしら?」


「いや、出ていくも何も……」


もう一度館のドアを開けると、そこには不機嫌そうなユーリが居た。ああやっぱり現実かと正直がっかりしたが、まずはこの状況になった理由を聞き出すべきだとDIOは思った。


「ユーリ!主人に対してはご主人様もしくは様付けですよ、ペナルティーで10分延長ですからね。」


「お前が元凶か!」



聞き出す前に、すぐに元凶はわかった。




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