夜の外出
「いらっしゃいませー。」
暇、眠れない、寝苦しい、そんな日に
「5名様でいいかしら?全員座れる席に」
「では、あちらの席へどうぞ」
ウェイトレスが、視線を少々外していう。
まあ、こんなに奇抜な格好をした5名様とかかわりたいと思う者なんていないだろう。
「それにしても、全員がこの時間眠れないなんて不思議にもほどがあるわよね。まあ、夜だから全員で表を歩いてカイロにたまたまあったガ○トっぽい場所に来るなんて、結構レアで面白そうだけど。」
「ユーリよ……誰に向かって話しているのだ……」
「あまりこういうのには突っ込んじゃあだめよ。」
そう言ってユーリたちは席に着く。
ソファー&椅子席に案内され、二つの椅子にヴァニラとテレンスが、何人掛けかのソファーにユーリとDIOとジョルノが座った。
「さて、何にしようかしら。」
そう言ってユーリはメニューを開いた。
「……って何にしようかしらじゃないッ!誰のせいでこんな時間まで起きていることになっていると……」何かを思い出したかのように……というよりこの展開になるまでは多分、雰囲気に流されていたのであろうヴァニラがハッとしてユーリに言った。
「ヴァニラ、うるさいわよ。何でも人のせいにするの、よくない」
それをまた適当にメニューから目を離さずにユーリは答えた。
「どう考えても貴様のせいだァーッ!!」
「うるさいですよヴァニラ。いくら人がいないといっても。」
「貴様はどちらの味方だッ」
「私は冷静な人の味方です」
そう言うとテレンスはメニューを閉じた。どちらが冷静かというのは誰が見ても明確なので、ヴァニラも仕方なく黙った。
ちなみに、何故ヴァニラがこんなに怒っているかというと、いつもの通り二人がもめてまた喧嘩して、今回のユーリの対処法が催眠術だったという事だ。
そのため、昼に寝てしまったヴァニラはこんな時間まで眠れないという事になった。
「初流乃、貴方は何にするの?」
「僕はドリンクバーでいいです。」
「あら、デザート系はいいの?」
メニューのデザート欄を開くと、ジョルノはこんな時間に甘いものは食べる気にならないといった。
「……DIOあなた、は……」
ふと隣の席を見るとDIOがいない。どういう事かと思い周りを見ると、ウェイトレスと会話していた。
「注文は貴様だ。いいな?」
「はい……もちろんで」
「なにしてるのよ。」
心底冷めた目でユーリはDIOを見、ウェイトレスを自分のほうに引き寄せた。
「今は、こういうことする状況じゃあないわよ?大体注文は?君だよみたいな下ネタは誰も望んでいないわ。」
「し、下ネタではないぞ!注文は君(性的な意味で)じゃなく注文は君(血的な意味で)だ!」
「初流乃、どう思う?」
その言葉に、ユーリとDIOの視線はジョルノに向く。
「見境がありませんね。パードレ」
「……うりぃ」
ウェイトレスを解放し、席に着き結局ドリンクバーという事になった。
「私はどうしようかしらね。ドリンクバーが普通みたいだし……パフェも食べようかしら。」
そう言い、呼び出しボタンを押した。
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