憂鬱
「暇だ」
夜の館は静かであった。
現在深夜をまわっている館の中で起きているのは、この時間帯が活動時間のユーリとDIOくらいなものだった。
ユーリはPCをし、そうねと一言返した。
「そうね、じゃあなくてだな……」
「初流乃みたいに読書をするのはどうかしら?この館大量に本があることだし」
「館にある本はすべて読み終えている!」
「ああ、そう」
そんなに自信満々に言わなくてもいいだろうとユーリは思いながら返した。
「他にやることはないのか〜!」
「……やりたいことを適当にやるのが一番よ」
「それがないからお前に聞いているのだユーリ……うりぃー」
ユーリはPCにイヤホンを付けようかと思った。
「そうね……私の本でよければ貸すわよ。」
「ユーリの本……それは日本語か?」
「ちゃんと英語版よ。日本語版、英語版と集めるのはファンとして当然の……」
「ありがとうユーリ、少し読んでみることにする」
「え?ああ、わかったわ」
DIOは確実に話が長くなると察知し、さっさと借りた。
日本のかわいらしいキャラクターが表紙になっている本。かなり薄め。
「とりあえず三巻まで貸すわね。」
この本をDIOに読ませた結果、この後あんなことになるとは……
それはまだ誰も知らない事であった。
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