金髪の少年
古い洋館、二人の男女が話している。
「あなたも、私の世界に介入しない?」
女性の問いかけに、少年は
「ええ、是非」
その時が来るなら、と答えた。
少年は席をたつと、洋館から出ていこうとする。
「世界への介入、歓迎するわ。汐華初流乃。」
これは、遠い昔の話であり、遠い未来の話。
屋敷を出る少年を、女性は窓ガラスごしに見送った。
※
新しい一カ月が始まって、館には金髪の少年がいた。
「はーるのー!!」
「パードレ、うるさいです。」
「私もうるさいに一票。」
「ふ、二人してひどくないか!?」
DIOは二人に言われ少し落ち込む、だが
二人はおかまいなしに優雅なティータイムを満喫していた。
「だが初流乃……久しぶりの再開だというのに」
「久しぶりもなにもたった一日いなかっただけですよ、パードレ」
そう言うジョルノにDIOは十分に寂しかったぞと言うと、気持ち悪い、と一言かえされた。
「ふふっ、仲の良い親子ね」
そんな様子を見てユーリは微笑した。
「そうであろ「どこがですか?ユーリ、目を負傷したのなら今すぐに取り替えてあげますよ」」
ここまで否定するか、というくらいにジョルノは否定する。
「目の心配なら大丈夫よ。それより、DIOが部屋の隅で体育座りになってるわよ」
ユーリが指差すが、ジョルノは放っておいた方がいいですよと無視する。
ここで何を感じ取ったのか、ヴァニラが部屋に入ってきた。
またやっかいなことに、とユーリは思った。
「DIO様!いかがなされたのですかッ!?まさかまたあの小娘が……」
なにかセンサーでも持っているのか、目の前に居るジョルノやユーリよりも先に隅に居るDIOに気づく。
「今回は私のせいじゃないわよ」
ため息混じりにユーリは言う。
「そうだ……アイスよ、ユーリは関係していない……」
隅で体育座りしていたDIOがヴァニラの方を向き言う。
「では、一体どうして……」
「息子が……反抗期に入った……」
「反抗期!?」
そんな二人のやり取りを聞き、ユーリはジョルノに反抗期なの?と聞くと、いつもそうでしょう、とそっけなく答えた。
「初流乃様!確かにDIO様は子離れできないかもしれません、少しうざったいかもしれませんが、たまには優しくしても……」
「ヴァニラ、全部その言葉DIOにダメージを与えているわよ。」
軽く、半泣きなんじゃあないか、と思うくらいに暗い雰囲気が漂っている。
「DIO様!お気をたしかに……ぐふぁッ!」
「なにドアの前でやってるんですか。邪魔ですよ。」
プリンを持ったテレンスがドアを思いきり開けたので、ヴァニラにドアが激突した。
「窯焼きプリンはおいしいわねー」
「ユーリは吸血鬼でもプリンは食べるんですか」
「あら、血が主食で他は嗜好品よ。」
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