夜の外出
「ドリンクバー……このDIOが生まれた時代にはそんなものなかった。」
「でしょうね。使い方は簡単よ、コップを置いて……あぁ、いま初流乃がやってるようにやるのよ。」
丁度ジョルノがオレンジジュースをいれているのを指差す。
「一つしかいれてはいけないのか?」
それを見て、DIOは意外な事を訊いた。
ユーリは一瞬面食らったが
「ええ、混ぜるのもアリよ」
と答える。
ドリンクバーのものを混ぜるのはよくあることだし、まぁなにもないだろうと思ったからだ。
「例えば……レモンスカッシュとコーラを混ぜると美味しかったり。まぁコーラベースにすれば基本的に美味しいわよ」
そういうとユーリ自身はその組み合わせで混ぜ、一口どうぞといいDIOに渡した。
DIOはそれを一口飲むと確かに美味しいと言い、自分のコップを置いた。
「面白い、やってみよう。」
その言葉にユーリはほどほどにねと言って、席へ戻っていった。
「DIO様はどうした」
席に戻るなりいきなりヴァニラはユーリに訊き、ユーリは
「遊んでいるわ」
と、少々あきれながら答えた。
それからほどなくしてDIOは戻ってきた。
「ユーリ!凄く良い組み合わせを見つけたぞッ、飲んでみてくれ」
色はコーラを少し濃くしたような。
「……今回は譲ってあげるわ、ヴァニラ」
DIOから手渡されたコップをユーリはヴァニラに回した。
「…………は?」
突然の事にどう反応すべきかヴァニラもわかっていない。
「DIO、先にヴァニラが飲んでみたいと言ってるのよ。いいかしら?」
ユーリがそう言うと、またヴァニラは は? と訊き返す。
DIOはそれを構わないといった。
「貴様……これはどういう……」
「飲み込み悪いのね、譲ってあげてるのよ。」
小声でのやり取り。確かにDIOの作ったものをもらえるのは正直うれしい。だが、ユーリのこの様子からすると嫌な予感しかしない。
とはいっても、DIOが作ったものに変わりない。そう思い
「ありがたく頂戴します、DIO様!」
そう言いヴァニラは一気にそれを飲みほした。
「一気飲みをするとは……予想外だぞ、アイス」
「ねえ、DIO……それ自分では飲んだ?」
「飲まずともわかる。このDIOが作ったものが不味いわけない」
きっぱりとDIOが言い、ユーリは改めて飲まなくてよかったと思った。
そんな得体も味も知れない液体を飲んだヴァニラは崩れ落ちるようにテーブルに突っ伏した。
「コーラベースでそんなに不味くなる物って何かしら。」
そんな様子を見てユーリは言う。
「烏龍茶あたりじゃあないですか?」
テレンスが答えると、それを聞いたDIOが違うと言った。
そんな中、誰も心配しないヴァニラを見てユーリはメニューでつついたりして生きてると声をかけていた。
しかし、反応はない。
「コーヒーですよねパードレ。」
「正解だ。よくわかったな初流乃よ!」
「コーラと同じような色した飲み物なんてほかにありませんよ。」
混ぜたものがコーヒーとわかり、ユーリはケータイでコーヒー+コーラで検索した。
そして、それがとても不味くなるとわかると静かにケータイを閉じた。
「DIO、それ最悪の組み合わせよ」
「何ッ!?」
後にヴァニラにその飲み物がどんな味だったか聞くと、納豆 と一言返したと言う。
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