憂鬱



「さて、全員今とてつもなく 暇 ということは知っているな。」


「自分でそれ言って悲しくないかってことは突っ込まないであげるわ。

ジョースター一行が来なければここにいる者は暇ね。」


ユーリがくすくすと笑いながら言う。


「私はそんなに暇でもありませんよ。詰みゲーの山を整理したり、たまったアニメ録画をDVDにしたり……」


「そんな私用どうでもいいだろ」


「あら、その答えはないんじゃないかしら。そしたらDIOの暇、もどうでもいいで一蹴されるわ」


「DIO様は別だ!小娘」

「……この前はさんざんババアみたいなことを言ってまたそう言う事を言うのね?再教育してあげるわよ、ヴァニラ」


ユーリとヴァニラの間に火花が散る。


「本当に仲が悪いようで。」


「誰が発端かわかっているのか、お前は」


「私ですかね…?」


のんびりと傍観を決め込むテレンスを見てDIOが言う。

相変わらずの、マイペースである。

とりあえず、DIOはヴァニラVSユーリの状態を止めると、話を続けようとした。


「話を続けよう。そこでこの暇な期間を使い……映画を取るぞッ!」


DIOが言うと、場が静まりかえる。


全員一瞬何を言っているのか理解ができなかったのだ。


ある意味、ザ・ワールドがかかったような状態といえよう。



「映画……ね「DIO様がそうおっしゃるのなら、このヴァニラ・アイスは全力でその企画に協力します」でたよDIO様馬鹿……」


ユーリがヴァニラをみてつぶやくと、その言葉が聞こえたのかヴァニラがユーリのほうを向いた。ユーリはすぐに目をそらした。


「完全に感化されましたね。」


「……僕は協力しませんよ。パードレ」


ジョルノはそう言うと、DIOに向けていた視線をまた本に戻した。


「まあいいわ、仮に撮るとして……誰が監督?」

ようやく、現状を把握したユーリがDIOに問う。

「それは私に決まっている。」


その答えに、ユーリは心の中でですよねーとつぶやく。


「じゃあ主演は?」


そして、質問を続けた。

「私だが?」


「……ま、まあ主演兼監督なんてよくあることよね。じゃあ、ジャンルは決まっているのかしら?」


あまりに予想だにしていなかった…いや、少しは予想はしていたが、それはないだろうという回答を見事に言っていくためユーリは突っ込みをあきらめていた。


「ジャンルは推理に恋愛ホラーSFだ!」


「」


めちゃくちゃよ。それ。 という突っ込みしかもう思い浮かばず、ユーリは何も言えなかった。

たしかに、かなり暇な状況下ではあったが、ここまでになるだなんて。


「DIO」


「完璧な映画が撮れるだろう?ユーリよ「ちょっとTSU○AYAで映画でも借りてくるわね。そして一緒に見ましょう」何故だ?映画は見るのではなく撮る……」


その言葉も聞かず、ユーリはノートパソコンをだし、ネットレンタルと検索していた。


「その前に、現代の映画を見てからにしましょう。あなたの100年前の感性を現代に近づけるためにも。

大丈夫、ラノベを読んでここまでになるくらいだからすぐに慣れるわ。」


この後、映画を見てそれにはまり音量が大きすぎるとジョルノに苦情を言われたり、延滞を取られテレンスに怒られたりする。

そして、館のテレビに映画系チャンネルが増えるのだがそれはまた別の話である。



「映像が滑らかで、鮮明……このDIOが生まれた時代には映画は白黒だった…」


「100年のブランクはきついわよねー……」


「ところでなぜこの映画は2になると面白くな「そこは常識であり触れてはいけない所よ。」」




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