ハロウィンは突然に



「やっぱり、必要なものはお菓子よね。」


「ユーリ、子供じゃあないんですから。」

「初流乃はそういいつつプリン食べているわね。」


「僕はあなたより子供ですから。」


年齢の話はタブーよ、といいユーリはテーブルにあったキャンディを食べる。


「暇があるってことはいいことね。暇さえあればこんなことが何回もできるのだもの。」

ユーリが、この会場を見て独り言のように言った。



「前は、なかったんですか?」


そんなユーリの言葉を聞いたジョルノが訊く。


ユーリは、少し考えて苦笑した。


「なかったわ」


と悲しそうに言って。


「使える時間が多いほど、暇があるほどこういうときは増えるでしょうね。」


「僕としては、こういう騒ぎは控えてほしいんですが。」


「若いのにそんなこといわないの」


「さっきは年齢の話はタブーとか言っていたのに」


ジョルノが呆れたように言うと、ユーリは女性の心は変わりやすいものよ、と返す。



「でも、ユーリは永遠に生きているんですから飽きますよ。」


こんなことを何回も繰り返していたら。

ユーリはそれを聞き、そうかもしれないと答える。

それはジョルノにとっては少し意外な答えだった。


「ふふっ、でもそれは飽きがくるほど長い時間居られたってことよ。

それこそ私の望みなんだから、飽きがくることは嬉しいことだわ。とても」


まるで子供のような笑顔。

純粋な、裏表のない、


だが、その笑顔はジョルノからしたら複雑なものであった。


「ユーリ……あなたはどれだけあの人を……」


それ以上は言えなかった。


ユーリにそれ以上、ジョルノは言うことはできなかった。



「続きは?初流乃」


何を言いたかったのか気になったユーリは質問する。


「いえ、忘れてください。」


「そう。」


そう言われるとユーリは深くは追求しなかった。



夜は、まだまだ長い。


「じゃあ、今日という日をもう少し楽しみましょうか」



ハロウィンパーティーはまだ続く、


いや



まだ始まったばかりというところであった。






「来年も、こんな事が出来るといいんだけど。」


「来年も、こんな事をさせるんでしょう?」


ユーリの言葉に、ジョルノは皮肉っぽく言った。

だが、その言葉にユーリは笑って返した。


「来年は仮装させるわよ」

そういうと、

「絶対に嫌ですよ」

とジョルノは苦笑しつつ言った。






[ 29/45 ]

[] []
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -