ハロウィンは突然に



「こんな急なことを言い出して、なんやかんやでパーティーができちゃうところすごいと思うわ。」


「そんなに褒めるな、ユーリ」


「全く褒めてないわ。」


言いだして2日ほど、DIOの行動力はすごいものですぐに会場が整えられていた。


「……急に用意をしろと言われたこっちは困るんですけどね」


「ほら、急に総動員に近いことするから怒られる。」


「うりぃ……」


準備をしているテレンスが少々イラついているのを見て、ユーリが言う。





そしてハロウィン当日、会場となった館の一室は賑わっていた。

普段館にいるものは勿論のこと、館には居ないものも集まり、このハロウィンパーティーに参加していた。


普段では見られない、仮装をして。


「仮装……ね。やっぱりやってみれば楽しい企画だったわ」



「このDIOの手にかかれば、これくらい一週間なくとも出来る…」

「…またテレンスにキレられるわよ。それよりDIO、」


ユーリはDIOの仮装をよく見る。

スタンダードな吸血鬼、黒いマントに中世ヨーロッパの貴族を思わせる洋服。


「凄く似合ってるわね。ひねりがないけど。」


「ひねり?なんだそれは」


「吸血鬼が吸血鬼の格好して似合わない訳がないってこと。」


意外性にかける、とユーリは評価した。


「うりぃ……ではお前の格好はなんなのだ、ユーリよ。私服と大差変わらないではないか」


ユーリは普段結んでいる髪をおろし、黒いカチューシャにミニスカート黒タイツ。

DIOは一体何の仮装かわからなかった。

「ふふふ、よく聞いてくれたわね。魔法少女よ!」


「魔法少女……魔女ではないのか?」


魔女にはまだなりたくない、とユーリはDIOに言う。


正直、『少女』という点が疑問であったが、触れないことにした。


「紅茶の方、いりますか?ユーリ」


「あら、テレンス。いただくわ」


DIOが反応に困っているなか、テレンスがユーリに紅茶を渡した。


「ユーリのその格好は魔法少女ですか。
主人公ではなくあえてほ○ほむとは…」


「主人公の衣装はちょっと私のイメージじゃないわ。あなたは普段じゃ着ない黒の燕尾服…」


「あくまで執事ですから」


「全くハロウィンと関係のないコスプレじゃないってところが良いわ!」


((まずい、ついていけない…このDIOが!!))

あまりにディープなネタに本気でDIOは付いていけなくなっていた。


「パードレ、日本のハロウィンなんてこんなもんですよ。」


「初流乃!……ってお前は何か仮装は」

「するわけないじゃあないですか。僕が。」

そうジョルノが即答すると、テレンスと会話していたユーリがこちらを向く。


「全く、初流乃も何か仮装しようって誘ったんだけどね。」

「嫌ですよ、ユーリの進めるコスチュームは仮装じゃあないんですから。」


えー、と言うユーリに、DIOはいったい何を進めたのか気になった。

ジョルノは教えてくれないと思いユーリに訊くと


「新撰組」

ユーリはいい顔で答えた。

DIOは聞かなかったことにした。


「さて、ちょっと他の人も見に行ってこようかしら。」


そういってユーリはその場を離れた。



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