金髪の少年



「テレンス、紅茶のおかわりはもらえるかしら」


半端なく痛がっているヴァニラ、立ち直れるかどうかもわからないDIOを放置して、優雅なティータイムは続いていた。


「それにしても、ジョルノ調子ほうは?」


「……とくに問題はありませんよ。」


「そう、よかったわ。「テレンス貴様今のはどういうことだッ!」」

ユーリはもう生き返ったのかと言いたげな目でヴァニラを見た。

怒りの矛先はテレンスに向いていた。


「知りませんよ。貴方がドアの前であほらしく突っ立っているのがいけないんですから。」

「あほらしく…!?私はDIO様を立ち直らそうと「全部刺さったけど」刺さった?何がだ」


無自覚怖いものはない、とユーリはつぶやき紅茶を飲む。

怒るヴァニラを、テレンスは適当に流し、DIOは隅で塞ぎ込み、ジョルノは我関せずと読書をしている。

今まで一番カオスな空間となっている。

「ユーリは、よくこんな所にいられますね。」

ジョルノがユーリは一切見ずに口を開く。


「こんな事が一番楽しいからいいのよ。」

この光景を見てそう言ったユーリの笑顔は、心の底からのものだった。


「でも、介入するって、こういうことよ」


「わかってます。僕も少し……面白いとは思ってますから。」


「ふふっ、それなら、よかったわ」





ジョルノと、ユーリが出会ったのは遠い過去であり遠い未来。


イタリアでのこと。


ただ、どうして現在のような状況下になっているのかは、彼女しか知りえないことである。




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