皇帝との遭遇



「さて、もっと話していたいところだが俺にはこれから任務がある」


「そう、名残惜しいけど。」


「ユーリにそう言ってもらえるとうれしいぜ、また次の報告のときにまた会おう」

できたら次の報告までにジョースターたちを始末できていればいいが、とホル・ホースは言った。


「次のその報告の時には私も一緒にDIOのところに言ってあげるわ。普通の人じゃ暗くてDIOの居場所が分からないかもしれないし」


「それはありがてぇ話だ。美人のガイド付きならいつでもいっていいくらいに」


「お上手ね。じゃあまた会いましょう、ホル・ホース」

そう言って手を振るとユーリの周りに大量の蝙蝠が現れる。

昼の明るさに目立つ黒い蝙蝠が館のほうへ飛んでいくとユーリはあとかたもなく消えていた。


「……これはまた恐ろしい美人とお近づきになっちまったな。」


だが、次に館に行くのが少しだけ嫌ではなくなったホル・ホースであった。








「やっぱり長時間外にいると疲れるわ……」


「ユーリ!また外に行っていたのかッ!?」


「あら、DIOどうかしたの?」


玄関近くにDIOがいるとは珍しいとユーリは少し驚いた。


「ああ、そうだった!この館にはあと二人の部下がいたはずだ!」


「思い出したのね、よかったわ。」


「一人は外出中だが後の一人はこの館にいる」


「そうなの、館どのへんに?」


「え?」


「……え?」


思い出せたと嬉しそうに話していたDIOが固まる。


「え、えっと聞き方が悪かったわね。敵が来たときはどの辺に配置されるのかしら」


「……どこか?」


「どこか……ね。まあいいわ今日は。疲れたし」


ユーリはこれ以上DIOを悩ませるのもどうかと思い質問をやめた。

120年も生きていればそれくらいの記憶消えるから仕方ないと思って。

「ユーリ!」

そんな調子で会話しながらDIOとユーリが歩いているとテレンスが来た。


「どうしたのテレンス?」


「あぁ、DIO様もご一緒でしたか。ヌケサクを見ませんでしたか?」「ヌケサク……?今日は見ていないぞ。」


「そうね、私も見ていないわ。何か用でもあるの?」


二人で見ていないというとそうですか、とテレンスは言う。


「いえ、もしこれから会ったら二階の掃除をするように言っておいてください。」


「わかったわ。」


そう伝えるとテレンスはまた行ってしまった。


「……ちょっと待て、自然すぎてわからなかったがおかしかったぞ今の会話は!」


「どうしたのよ突然。」


「ユーリお前ヌケサクを知っているのか?」


DIOが言うと知ってるとユーリは返す。


「一応同じ吸血鬼だったわね?」


「お前は一番始めに4人以外に誰かいないかと……」


「それ、私自身は数に入ってないわよ。」


「何!?」


騙されていたというのかというDIOに、人聞きの悪いこと言わないでとユーリは返す。

次の日ユーリはまた館を歩き、いつのまにかケニーGの能力のせいでで迷子になるのだが、それはまた別の話である。



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