異質な吸血鬼・ユーリ
と、ここまでが二日前。
二人の吸血鬼が出会い、手を組むまでである。
「暇ね。」
「そうだな」
DIOの寝室、DIOは本を読みユーリはその横で本棚を眺めていた。
「久しぶりに街にでもいこうかしら」
「街…?今は昼だぞ」
「確かに日光は体に悪いけど、昼の世界も悪くないわよ?」
ユーリの言葉にDIOは信じられないといった様子だった。
「何かおかしな事でも言った?」
「日に当たれるのか?」
「当たれないの?」
「当たると同時に消滅の危機だが」
「……それはお気の毒に」
このときユーリはDIOとは実は種族が違うんじゃあないかと一瞬思った。
それか、下層吸血鬼なのだろうかと思った。
((でも…下層とはちがう、どうかんがえても))
それでも少し手を貸すというのを早く決断しすぎてしまったんではないかとユーリは心の中で思っていた。
こんなに暇なのはさすがにどうかと思うと。
「あなたの分も昼の世界を味わってくるわ。」
そう言いユーリは寝室を出た。
「…別にあなたの主人を取って食おうってわけじゃないのよ?」
「そんなことくらい知っている。」
「…そう、ならひとつ言わせて。
知っているならわざわざそんなところで待ち構える必要性はないわ」
寝室を出てすぐにヴァニラと遭遇してしまい、いきなり睨まれたユーリはため息をついた。
そして何よりやっぱりこんなところでやっていけるのかと心配になった。
「もっとまともなのはいないの…」
これから協力することを考えるとユーリは憂鬱になるのだった。
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