short novel

恋鎖反応








 それから私は、岡本君にチョコレートを渡すタイミングを計ろうと彼を観察し始めた。


 ……さすがは私が名前を憶えていなかったこともあって、いつも普通だったけれど。



 彼の観察は昼休みの今も続けている。……というか他にやることがないんだけれど。先生には、超能力の勉強をしているんですって言ったから大丈夫だろう。



 ただ、彼は今日もいつも通りただ本を読んでいるだけなので、何も収穫はない。




 意味もないので止めようと思っていた矢先、1つの収穫があった。



 それは、岡本君が読んでいる本が曜日ごとに決まっているということだった。




 私はいつの間にか、話題作りのために岡本君が教室に帰ったのを見計らって私は彼が読んでいた本を借りた。





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