short novel

言葉も人を選ぶものだ




「でも、あの子確かに近寄りがたい雰囲気があるよね」


 そして、誰に聞いても返ってくる答えがこれ。


 確かにみずきちゃんはいつも静かで大人ぽくって、気楽に話せない雰囲気がある。転校してきてからもう3カ月くらい経つけれど、人と会話しているところをめったに見ない。


 でも、決して悪い子というわけではない。声をかければいつもにこにこ笑って答えてくれる。



「でもさ、あの子だったら仲良くできなくてもしょうがないんじゃない?」

「そんなことない!!」


 あまりの友達の言い方に、つい叫んでしまった。



「ごめん。でも、だってさ……」

「もういい!!」


 私はそれ以上何もいわずに廊下に出た。




 誰に相談しても分からないとなると、私がとるべき行動は1つしかない。





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