short novel

祝福







「女神様、ただ今参りました」


 勇者の青年が女神たちの前に膝をついた。年は前回の勇者よりも少し上のようだ。背は小柄な方だが、腰にさした剣は平均的な大きさだった。


「勇者よ、よく参りましたね。私は勇気の女神です。あなたには恐怖を打ち砕く勇気を授けましょう」


 勇気の女神は早速儀式を始めた。その言葉を言いながら、俯いた勇者に右手をかざす。するとそこからは、火の粉のような赤い光が勇者の頭に降り注いだ。


「私は知恵の女神。私はあなたにどんな逆境でも突破口を見つけることのできる知恵を授けましょう」


 続いて知恵の女神が手をかざすと、そこからは光の輪が勇者の頭へ降りていった。


「私は力の女神。あなたには何者にも屈しない力を与えます」


 力の女神が手をかざせば、そこからは1つの強い光が溢れた。


「私は戦いの女神。あなたは今後どのような戦いにおいても戦略が思い浮かぶはずです」


 戦いの女神が手をかざすと、そこからは火の玉が落ちた。



 いよいよ最後に、可能性の女神に順番が回ってきた。





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