short novel

3番目に好きな人




 私には好きな人が3人いる。


 1番目は片思いしている隣りのクラスの男子。通称、王子。背が高くて、めちゃくちゃイケメンなの。


 2番目は、進学してからできた親友。今日もカフェで○時間ガールズトークを繰り広げてきた。

 親友には何言っても笑ってくれるし、何話しても笑い話になってしまうから、魔法使い疑惑がある。

 それとも、あれかも。心が繋がっているって感じ。


 そして3番目は、現在隣りにいる……。


「お前、また転ぶぞ」

「えっ、ってあれ?うわっ!」


 私がその言葉を理解する前に、体が傾く。そして足が宙を浮く感覚。体が理解する前に、頭の中では危険信号が鳴る。


「ったく、危ねぇな」


 私の体がどこか痛みを発信する前に、腕をつかまれる感覚が先に伝わった。


「お前、また考え事してただろ?」

「うるさい! 早く手を離せ!」



 改めまして、私が3番目に好きな人は、現在隣りにいる幼馴染ぶる腐れ縁です。





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