short novel

白タイツの呪い





「あんた、よくこんな状況で笑ってられるわね。何で嘘って分かるのよ」

「だって、本当にその白タイツがあって、それをはいてその人が死んだら、この話は存在しないじゃない」

「……」


 姉さんは急に黙ってしまった。


「もし仮に現場を見ていた人がいたら、そんな危険な白タイツは捨てるなり焼くなりして存在してないわよ」





「それもそうね」


 姉さんは笑って頷いた。


「それに百歩譲ってそんな白タイツがあったとしても、白タイツなんて貴族階級の金持ちしか手に入らないじゃない。こんな森の奥の貧しい私たちの所まで来るわけないわ」


「それもそうね」


 それからしばらく私と姉さんが笑い転げていたのは言うまでもない。





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