short novel

Mr.ビッグ・バン




「で、”敵を倒すには味方から”の話だっけ?」


 終わってみると、何事もなかったかのように郷田はヘラヘラと笑い出す。

 無理もない。俺たちにとっては、これがすでに日常だ。



「ヘイ、Mr.ビッグ・バン」


 俺が珍しくあだ名で郷田を呼んだので、郷田は首をひねる。


「”敵を倒すには、味方と協力して”だぜ」

「……それもそうだね」


 Mr.ビッグ・バンは、少し驚いた顔をしてから、俺にヘラヘラ笑いとビッグバン笑いの中間の笑顔を見せた。





 彼にこのあだ名をつけた奴は、人類の未来を願ってその名をつけたのかもしれない。


 だけれど、俺はこれから、俺たちのはじまりのためにその名を聞こうと決めた。





Mr.ビッグ・バン
ヒーローである前に、ただの親友であってほしい





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