Mr.ビッグ・バン 「だいたいな、お前人が良すぎるんだよ!お前を利用する奴らばっかりなんだから、もっと警戒しろ!」 俺の忠告は、この期に及んでも彼には届かないようだ。しかし俺はこの期に及んでも口にする。 そう、たとえそれが、敵の前であったとしても。 郷田優には、別名がある。その名も、Mr.ビッグ・バン。 その別名を与えられたのは、3ヶ月前。”Mr.”とついていることから分かるように、こいつの知名度は世界規模。名付け親も外国人だ。 というのも、彼が現時点で世界を救うことのできるたった1人の人物だからである。 宇宙から地球を侵略しようとする地球外生命体がこの地球に現れた。映画か何かだと思われるかもしれないが、本当。 神様だか仏様だかお地蔵様は、その危機を救うために、たった1人にだけ超能力を与えた。 すなわち、郷田優ただ1人に、地球外生命体と対抗する力を与えた。彼は、宇宙の力を使った爆発によって、敵を倒すことができる。 詳しいことは、今現在アメリカのアルファベット何文字かの機関が研究をしている。 詳しいことは分からないが、彼が宇宙の力を使って爆発を起こすことから、彼の能力はビッグバンと呼ばれる。 そして、それを使うものであるから、Mr.ビッグバン。 地球外生命体は、地球を侵略するためには、まず郷田を倒さなければならないと判断したようで、常日頃から戦いを挑んでくる。 郷田はその全てをビッグバンの力を使って倒していった。 その戦いが始まってから3ヶ月、敵はずいぶん勢力を落としていった。 そして問題となったのは、危険な力を持つ彼を、今後どうするかということだった。大きく分けて考え方は2つ。 1、彼は危険だから排除してしまおう。 2、彼は使えるから利用しよう。 郷田には話していないが、彼も分かっているだろう。 親友としては、あまり彼の最後を考えたくない。しかし親友だからこそ、心配だった。 prev/next |