short novel

白タイツの呪い





「白タイツの呪いって知ってる?」


 私が洗濯物を干していると、姉さんが声をかけてきた。


 姉さんは私より3つ上なのだが、3つ上だとは思えないほど子供っぽい。こんな噂話とかが大好きで、あまり疑わずに信じてしまう。今回もそんな噂話の1つだろうと思って、私は軽く考えていた。



「何、それ?」


 『白タイツの呪い』というあまりにも怖くなさそうな呪いに、私はお腹を抱えて笑出だしたかったが、姉さんがあまりに真剣な顔で言うので、笑いをこらえて聞いた。


「知らないの!?!?」


 そんな驚いて聞くことはないだろう。ここは町から離れた森の奥深くなのだ。話によると、いるかも分からない伝説のユニコーンも出るというほどで、町の噂なんてめったに入ってこない。


 それでも、姉さんはどこから聞いてくるのか知らないが、どこかからかたくさん聞いてくるのだ。



「じゃぁ、ちゃんと聞くのよ!!言っておくけれど、笑ってられる話じゃないからね!!」

「はい」


 いつもはひょうきんな姉さんが、こんなに強く言うのは珍しいので、私は笑いそうになったのを少し反省した。





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