short novel

PROLOGUE




 真っ暗な中、二つの剣を打ちつける甲高い音が響く。その度に放電した時のような音を立てて火花が散る。



 それは一般的に魔法剣と呼ばれるものだった。



 片方の剣は見ているだけで背筋が冷たくなるような青、そしてもう一方は夕日のような真っ赤なオーラを刀身に帯びている。



 真っ暗な中でそれだけが浮き上がって見える様子は、不気味さを通り越して神々しくもあった。



 そのオーラのお蔭で、真っ赤なオーラの剣を操っているのは青年だということが分かった。そしてもう一方の青いオーラをまとった剣を持っているのは、黒いフードを目深に被っていて男か女かも分からない。


 だが実力は相当のようで、徐々に青年を押しつつあった。





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