short novel

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「D、D……。『Demo』」

「『でも』?日本語じゃん!」


 すかさず健斗が、またもや光の速さでつっこむ。


「よくあたしに言うでしょ?」

「だいたい、『But』と一緒の意味だし!」


 口をとがらせてまたもや不満そうなので、私は慌ててまた話をそらす。


「健斗は何て言ってほしかったの?」

「……『Dear』」

「いつも私に言ってないでしょ!」


 私が光の速さで突っ込み返した。


「言ってなくても、伝えてるつもりなんだけれど」


 本当のことを言っただけなのに、健斗の機嫌をさらに悪くさせたみたいで、私はまた話をそらす。



「ほら、次健斗だよ!E!」

「『Eager』」


 私がそう言うなり、健斗が即答する。……こいつ、事前に考えてからあたしを呼んだな。



 それにしても……。





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