short novel

L is L








「……ルーサは死ぬ気なの?」


 彼は大事なことほど、よく考えて言葉を口にする。だから彼が感情的になったり、ストレートな短い言葉をそのまま口にしたりすることは、本当に少ない。



 ……あるとしたら、その時は、彼が追い詰められている時だ。



「……フィオが俺と結婚したくないって言うなら、それでもいいんだよ。ただ言いたかっただけだから」


 聡明な彼らしくなく、ルーサは私の言葉を見事に勘違いしたようだったので、私は言った。



「結婚したくないって言ってるわけじゃないわ。何で、今そんなことをそんな切羽詰まったように言うの!?それは死のうとしているからじゃないの!?」


 いきなり怒り出した私を見てルーサはびっくりしたようで、私をじっと見つめていた。


 それは自分の思っていることを当てられた時の彼のくせだった。私は彼のその様子を見て、今までためこんでいた不安が暴走した。



「ルーサが死ぬ気なら、私は結婚なんてしないわ!!だって、結婚するなんて言ったら、ルーサは死んじゃうじゃない!!」


 最後の方は言ったつもりだったけれど、もはや言葉にならなかったが私は泣きながらも最後まで言った。



「ごめん。ごめんね、フィオ」



 ルーサはあわてて私を抱きしめた。





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