short novel

L is L





 私とルーサは生まれた時からの幼馴染で、ずっと一緒にここまで生きてきた。それもあって、もうすぐで20になるのにまだ仲の良い友達でいられる。



 彼は幼い時から国の誰よりも、落ち着いていて聡明でおおらかで優しかった。


 その性格を戦士に向かないからとかいう理由で悪く言う人は多かったけれど、私は彼のそんなところが大好きだった。



 私はずっと前から、それこそ子供の時から、友達以上に家族以上にルーサのことが好きなのだが……。彼は私のことをどう思っているのだろう。





「ねぇ、フィオ。ずっとフィオに言いたかったことがあったんだけれど」


 夕食を食べ終わって休んでいると、ルーサがふいにそう言った。


「……何?」


 私は何か嫌な予感がしたものの、平静を装って聞いた。


「こんな隠れるしか能のない奴に言われるのも嫌だろうけれど……」

「そんなことないわ!戦うことしかできない人よりも、ルーサはいつも私のことを守ってくれるわ!」


 これから何を言われるとしても、それだけはゆずりたくなくて私は口をはさんだ。


「ありがとう。じゃあ、気にしないで言ういけれど……」


 何だかルーサの顔が赤い。そして『気にしない』と言いながらも、何かを気にしている。いや、恐れているのかもしれない。



 一体、彼は何を言おうとしているのだろうか?





「……言いにくいことなら言わなくてもいいのよ?」


 ルーサがあまりにも言いづらそうなので、私はそう言ってみた。


「いや、言うよ! ……俺と結婚を前提に結婚してください!!」




 普通だったら嬉しくなったり、照れたりするんだろうけれど……。



 状況が状況だから、何だか嫌な予感がする。私はそれよりも気になることがあってその言葉を口にした。





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