short novel

L is L




「今日は私が夕食作るから、ルーサは休みなよ」



 ルーサは異国が侵略のためにこの土地に来たことを分かっていて、何日かかけてこの隠れ家に食糧を運びこんでいた。


 彼はこの国の人々を説得してここに逃げるように言ったのだが、私以外誰も信じなかった。


 ルーサの言ったことが本当になった時、その誰もは逃げて生きのびることよりも、侵略者と戦うことを選んだ。



 その結果、今では生き残りは私たち2人しかいないだろう。





「昨日もフィオが夕食作っただろ?」

「でも今朝はルーサが作ったじゃない」

「そうだけれど……」



 この状況で新婚みたいなんて言っていらるほど気楽ではないけれど、私は幸せにひたりながらその言葉を口を開いた。




「じゃあ、一緒に作ろうか」


 私がそう言うと、ルーサはやっと彼らしい子供っぽい笑顔を見せてくれた。





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