short novel

Iris




 それは本当に奇妙な光景だった。


 なぜかドアの取っ手にだけ、埃が全く積もっていないのだ。


「……まあ、いっか」


 私はあまり深く考えずに、ドアを開ける。


「わっ!」

「……わっ!?」


 ドアを開けるとそこには大きな丸眼鏡をかけた、女の子が窓際に座っていた。

 どうやらドアにだけ埃が積もってなかったのは、彼女が出入りしていたかららしい。


 よく見てみると、この子には見覚えがある! 確か、同じクラスで少しクラスでは浮いている……確か名前は……。


「成宮さん?」


「……仲川さん?」



 それが私の親友彩花との出会いだった。





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