不思議の国のありさ

不思議の国のハロウィン 4








 1本目の旗には、10歩ほどで着いた。きもだめしというのだから、おどかされるものだと思っていたので、難なくここまで来れてしまったことに何だか拍子抜けしてしまった。


 どうやら残りの旗はあと2本しかないようだ。私はまだ残りが2本もあるので、慎重に歩き出した。





「ガオーーッッ!!」

「うわぁ!!」


 あと1歩で2本目の旗に着くという時、背後で双子兼シュタインの声がした。


 振り向くと、フランケンシュタインのようなメイクとねじがついた帽子をかぶった双子が、両手をぶらぶらさせているのが目に映った。


 どこかに隠れていて、私をおどかしに来るということは分かっていたが、もう1歩で2本目の旗に着くということで油断していたのか、驚きすぎて私はその場から動けなくなってしまった。



「ヴゥーー……」


しかしフランケンシュタイン……じゃなかった双子兼シュタインは私を驚かせただけでは終わらず、うめき声をあげながら私に近づいてくる。


「ちょっと、来ないでよ!!!」



 それが双子だということは分かっていても、私には何だかとっても恐ろしく思えて、両目をギュッとつぶった。





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