不思議の国のハロウィン 3 「そういえば!」 「うわっ!!」 歩き出そうとしたら、いきなり後ろからハット……じゃなかったマジックハットの声がしたので、私は驚いて振り向いた。 「きもだめしがはじまると、君がどこにいるのか分かるように、その帽子の目が光るからな」 「そんな機能いらないわよ!!!」 私がそう叫んだ頃には、もうマジックハットの姿はなかった。 私が気になって帽子を脱いで見てみると、そこにはきちんと怒ったような大きなつりあがった目の顔が描かれていた。 「それでは、きもだめしスタート!!」 マジックハットの声が遠くでしたのと同時に、その顔が全て光った。ちょっとマジックハット、光るのは目だけじゃないじゃない!!! 文句を言ったところで、どうせ聞こえないだろうから、私は今度こそ赤い旗の方へ歩き出した。 prev/next |