チェシュとハットの日常 3 見たところ、色は普通の茶色だ。変な匂いもオレ様の敏感な鼻でもしないということは、大丈夫だろう。 「…これか?」 それでもオレはハットのお茶に対する情熱を信用していないわけではなかったが、ハットのことを信用したわけではなかったので、恐る恐る聞いてみた。 「そうだよ。さっきまであんなに積極的だったのに、いきなり慎重になってどうしたんだい?」 珍しく笑ってそう言うハットの目を、オレはしばらくの間まじまじと見つめていた。 「私の長年の研究の成果がそんなに信用できないのかい?」 オレは首を縦に振りかけて、すんでのところで横に振った。 「なら、早く飲みたまえ。自信作なんだから、心配いらないよ」 オレはまだいまいちハットの笑みを信用できないまま、ティーカップに口をつけた。 prev/next |