チェシュとハットの日常 1 本当はオレは行く気はなかった。 「やはり来たか。ああ言えば君だったら来ると思ったんだ」 目の前には、よれよれの緑の色褪せた服を着て、頭にはそれ以上にシワだらけの緑の帽子をかぶったそいつは言った。 オレは何か言い返したかったが、ここにいてこいつと向き合っている時点で何を言っても、こいつにしてみれば心地よいそよ風のようなものだろう。 「…で?研究の末やっと完成した秘密のお茶っていうのは?」 これ以上無理やり青汁を飲まされているような気分でいるのは嫌だったので、オレはさっさと話を切り出した。 そう、ハットに秘密でずっと研究していたお茶が完成したと聞いて、オレはのこのこと頼まれても会いに行かない人物に会いに来たのだった。 prev/next |