不思議の国のありさ

ハット編




「アリサ、手紙が来てるよ!」


 次の朝、私が起きると私の予想通り双子が私のドアをたたいて私を呼んだ。声だけではどちらかよく分からないが、どうやら一人のようだった。


「待って!今行くから!」


 ドアを開けると、双子のうち一人が元気よく駆けて入ってきた。ロイドが手首に巻いたスカーフの色を見るまでもなく、その動作からサンだということが分かった。


「手紙なんて珍しいよね!!開けてもいい?」

「私宛ての手紙なんでしょ?私に開けさせてくれない?」


 サンはよほど手紙の内容が気になるのか、意外とあっさり手紙を私に渡してくれた。



 その手首の赤いバンダナを見て、私の予想通り、やはりサンだということが分かった。




 それにしても、この手紙は誰からだろう? 全く心当たりがない。





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