不思議の国のありさ

フタゴ編




「最初に言っておくけど、私は名前をつけるセンスはないからね」

『もったいぶらないで早く教えてよ!!』


 ……こんなことを言っても、フタゴは二人とも期待でキラキラした目で私を見ている。



 私は覚悟を決めて、二人を交互に指差しながら言った。



「赤いバンダナをつけてる右がサン、青いバンダナをつけてる左がヨウよ」



 私はフタゴと双子の反応が怖くて、びくびくしていたが、それはいい方向に外れた。




「おいらがサンで……」

「おいらがヨウ!」


『なんか呼びやすくていいね!どういう意味なの?』


 私はロイドの反応も知りたくて、ちらっと横を見ると、ロイドは優しげに笑っていた。


 私はそれを見て安心して双子の方を向いて言った。 


「どっちも太陽っていう意味よ」





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