不思議の国のありさ

囚われの姫編





「そろそろ私もお菓子もらおうかしら」

「こんな夜遅くに食べると太ると思うけれど」


 不機嫌そうな顔をしてチェシュが現れた。


「今回は楽しめたの?」

「紅茶をまきまくったのだけかな。大勢が止めようとして楽しかったな」

「お菓子を配ったのも楽しかったんじゃない?」

「俺は追いかけ回されるのは嫌いだってわかったよ」

「そう。大勢喜んでたけれど」

「別に喜ばせたいわけじゃないからな」

「ふーん」


 少しずつチェシュの行動はわかってきたけれど、なぜ私に会いに来たのかはわからなかった。だけれどチェシュは何だかそわそわしている。





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