不思議の国のありさ

囚われの姫編





 至るところでお茶会が開かれてる間、場所がなくて玉座の周りで私とロイドと双子とハットと姫とナインさんがテーブルを持ってきて座った。衛兵もやっと落ち着いて飲み会のようなお茶会をしている。探してもチェシュは見当たらない。まだお菓子を持って逃げているのかも。


「しかし、まさか本当にこの国をもとに戻すとは、さすがはアリサ」


 ハットから褒められると嬉しい。姫とナインさんはしきりにお礼を言っている。落ち着いた頃、私は考えていたことを口にする。


「私、一つお願いがあるんです。私もダイヤの国に連れて行ってください。私がいたほうが、みんなも納得しやすいと思うし、私で力になれることがあるのかもしれないし」

「そうしてくれると助かる。アリサが必要なことばかりだ」


 そこまでいわれると照れくさい。

 まさか石碑があんなにすぐ壊れるとは思ってなかったけれど。これで確信になった。私はありさ。この国では特別な存在。そしてもう一つ、女王の声が聞こえなくなってから思い出したことがある。






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