不思議の国のありさ

仕立て屋編






 次の日、ネネちゃんの姿はなかった。代わりに机の上には1通の手紙が置かれていた。



「ネネちゃん、仕立て屋の修行を再開するために出て行ったんだね」


 少し悲しそうでも、誰も悲しいわけではなかった。



 サンとヨウは昨日ネネちゃんに作ってもらった服をまだ着ている。

 赤と青のチェックのシャツに、薄い茶色の短パン。二人ともよく似合っている。ネネちゃんが感謝の気持ちに作ったと言っていた。


「きっとこの次は、もっと素敵な服を作れるようになっているよ。だってネネちゃん才能あるし、何よりも服を作るのがすごく好きだから」


 そう言いながら、私はこれから先のことを考えていた。



 私に次何が起こるのか怖いけれど……。



 きっと、越えて行ける。そう信じてそっとロイドの方を向いた。





不思議の国のありさ

仕立て屋編

2013.01.08 完結





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